この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ギルディ~S系エリートと鳥籠の令嬢~
第25章 ウエディングベル
自慢か・・・
心の中で失笑した。
『失敗作』だと言われたあの夏の日が鮮明に脳裏に現れた。
老いとは残酷だな。
罪を犯した張本人が自身の罪を忘れるなんて。
「何を言っているんですか?爺さんから見れば、俺は失敗作なんです。自慢の孫なんかじゃありません」
湯村弁護士は訝しげな顔で俺の言葉を訊く。
爺さんの遺産の全てはこの俺に譲渡される。
爺さんの遺産は全部俺のモノ。
金だけで俺の複雑な思いを洗い流せるとは思っていない。
俺は書類にサインをした。罪を忘れ、亡くなった者を恨んでもどうしようもない。
―――――そう今は杏と生まれて来る子供の為に未来を見つめよう。
心の中で失笑した。
『失敗作』だと言われたあの夏の日が鮮明に脳裏に現れた。
老いとは残酷だな。
罪を犯した張本人が自身の罪を忘れるなんて。
「何を言っているんですか?爺さんから見れば、俺は失敗作なんです。自慢の孫なんかじゃありません」
湯村弁護士は訝しげな顔で俺の言葉を訊く。
爺さんの遺産の全てはこの俺に譲渡される。
爺さんの遺産は全部俺のモノ。
金だけで俺の複雑な思いを洗い流せるとは思っていない。
俺は書類にサインをした。罪を忘れ、亡くなった者を恨んでもどうしようもない。
―――――そう今は杏と生まれて来る子供の為に未来を見つめよう。