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第6章 初めてのデート―杏side－

私の一番望んでいるモノは叶えてくれないの！？


「結婚出来ないってどう言うコトですか？」


「弁護士になってからはずっと…民事を取り扱った来た。離婚調停の修羅場は何度も見て来た。かっては愛し合っていた男女が醜い争いをするんだ。それに、俺は私生児だ」



帝さんの眼鏡の奥の瞳は絶望感で染まっていた。
彼はグラスに入った残りのワインをヤケ気味に一気飲みした。

「一生…結婚はしないつもりですか？」


「しないと思う」



学生時代はホストをしていたし、私よりも男女関係の経験は豊富。

自身だって、私には言えない沢山の修羅場を超えて来たのかもしれない。