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理想と偽装の向こう側
第6章 予測不可能
広げたビニール袋に、うどんの生地を入れ床に置く。


「は~い!こっからが本番!香織ん上に乗って!」


「乗る?このうどんの生地にですか」


指を差して、問いかけた。


「そうそう!上で足踏みすると、絶妙なコシが出るんだよ。女性くらいの体重がちょうどいいんだよね」


「はぁ~」


てか、あなた本当にサラリーマンですか?


とにかく、これを踏まない限りは先に進まなそうだ。
そっと、足を乗せたが平らじゃないし、ムニムニしてバランス取るのがが難しい。


「掴まって~」


小田切さんが、両手を差し出した。


私は迷わず、その両手を掴み支えにして、足踏みをする。


「早すぎ、遅すぎずね!」


「えっ!難しいですよ」


そんな微妙な注文をされて、意識を集中する余り、両手を必死に握ってしまっていた。


足踏みしていくうちに、コシが出てくるのを感じる。


「きゃっ!あはっ!」


足裏の感触も気持ちよくなってきて、ついつい夢中で踏み続ける。


そんな私を小田切さんも


「もうひと、踏ん張り!」


手をしっかり支えてくれながら、声をかける。 


ちょっと、いい運動な感じで汗までかいてきた。 


うどん作り、かなり楽しいかも!

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