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理想と偽装の向こう側
第7章 利用と束縛
サイクリングは、二人漕ぎでレールの上を走っていく作りだった。


敷地内の高台の場所なので、景色を楽しむのも醍醐味の一つみたいだ。 


自分たちの漕ぎ具合で、スピードが決まる。


「案外力が要りますね」


「そう~?」


「あー!小田切さん、しっかり漕いで下さいよ!」


「景色を堪能してたんだよ~」


そう言って、一気に足を動かし始めた。


自転車の勢い良く進み出す。


「わっ!わっ!」


連動してるため、自分も急いで漕ぐことになるんだ。


「ちょっ、小田切さん、早っ!」


「ははは~!しっかり漕いだのに~」


お互いの漕ぎ具合で、状態が変わるのが面白かった。


ただ、ペダル漕いでるだけなのにね。 
サイクリング、侮れないな!


時間もお昼時だし、一息入れることにした。


園内にレストランまでは無かったので、売店で焼きそばやポテトなどを買ってベンチで座って食べる。


「お祭りとかもですが、外で食べるだけで、焼きそばも一味違ってきますよね」


「そうだな~。お好み焼きとか、たこ焼き買いたくなるよね。あと、チョコバナナとかも」 


「ぷっ!小田切さんチョコバナナ買うんですか~?」


「えっ!なんかさぁ~並んでるの見ると買いたくならない、あれ?」


「その気持ちは、分からなくはないです」


こうゆう素朴なところ、小田切さんポイントだよね…なんて考えてたら、


「香織ん、い~して」


ん?あ~んじゃないな。

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