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理想と偽装の向こう側
第4章 同棲スタート
「わぁ~~~っ!!!」


私は小田切さんの家のベッドにいるんだ!


「朝から元気だね~仕事行くの?」


私か驚いてることなど気にもせず、相変わらずの小田切節で話を進めてくる。


「いや…あの…それよりか!」


「俺もうすぐ出ちゃうけど、軽く食べれそうなもの作っておいたから良かったら食べて。鍵はスペア置いとくね」


「あ…ども…」


小田切さんは、うんうんと微笑みベッドの端に座った。


ベッドが軋む音がして、何だかそれが照れ臭い。


「大丈夫?仕事、休むの?」


「あっはい…元々今日はそのつもりだったから…」


そう答えると小田切さんは私の頭をポンポンと軽く撫でた。

「俺、今日帰り遅いから外で食べてくる。戸締まり宜しくね」


「はい……」


「体調、大丈夫なら荷物少し持って来たら」


「はい…」


「あと、これ携帯番号とアドレス。登録しといてね」


「はい…」


「じゃあ、行って来ま~す!」


小田切さんは、極上の笑顔を向けていた。


「行ってらっしゃい」


思わずつられて笑顔で答えてしまう。 


再度ニッコリ笑って、小田切さんは出勤して行った。


………。


「とりあえず…会社に休暇の連絡を…」


携帯、携帯…バックは~と、ベッドの近くに置かれていて…
ふと渡されたメモを見と、そこに書かれた番号とアドレスは、確実に小田切さんのものである。 


「…やっぱり…夢じゃなかったか…」


ポスンっ!


ベッドに私は倒れ込んだ。


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