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理想と偽装の向こう側
第4章 同棲スタート
眉間にシワを寄せてたら、美人が台無しだよ~。


スタイルも良いのに、サバサバし過ぎなんだよね。
そこも好きだから、高校から親友として続いてるのが有難い。


そんな黎子の説教が続く。


「あんた本当に婚期逃すよ。いいの!」


「えっ!どこからまたそんな根拠が…」


「根拠もクソもないでしょ!只でさえ嘉之に振り回されて六年間、女の勝負時期棒に振ってんのよ。更に元カノに未練ある男と一緒に住んで、傷の舐め合いっていつまでもやる気なの?落ち着いた頃には、アラフォーになるわよ!」


「ちょいと、人の人生を勝手に…!」


決めつけないで!
と、発する前に


「嘉之の事、みんなが納得出来る事言えるなら、言い訳も聞いたげるわよ!」


黎子殿の一刀両断をくらった。

完敗だ…。


「…何も言えません…」


ふふん!と勝ち誇る黎子嬢。


更に私に人差し指を向けて言った。


「予言してあげる…」


「予言!?…い、いいよ~嫌な事言われたくないし、当たりそうで怖いし!」


「いいや、慈悲心でよ。予言通りになったら、あんたそん時は素直に受け止めなさい!意地張ってもしょうがないから…」


「な…何なの…?」


「あんたと小田っち、絶対一線越えるわ…」


一線…つまり…


「はぁ!?!?絶対って、また言い切って。まだ会ったばかりだし、同棲もしてないんだよ!第一、小田切さんに会ってないじゃん!黎子は!」


ムキになった私に黎子嬢はまた、ふふん!と鼻で笑った。


「生物学的に有り得るからよ」


出た!
黎子の科学的根拠!


学生時代から科学が好きな黎子は、感情論より科学的根拠で物事を判断する。
役立つ時もあるが、ドライな考えに凹むこともしばしばだ。

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