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理想と偽装の向こう側
第11章 亀裂
「暇だな…」


チューハイを一本飲んで、ぼぅっとする。


嘉之の部屋だけど、目の前に嘉之は居ない…。


それでも常に真綿で首を締められるかのように、グルグルに縛られていくようだ。


常に息苦しい…。


何でそうなってしまったんだろう…。


楽しかったこともキラキラした思い出も…
遥か遠くに感じてしまう。


時計を見ると、21時を過ぎていた。


まだ、話してるのかな…
端的に片せてないじゃん。


元木さんが、簡単に引くだろうか…
ヤダな…負のループにハマり出す。


いかん!いかん!


私は頭を左右に振った。


「もう一本、飲もう!」


プシュッと、軽快な音を鳴らし、一気に飲み干した。

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