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理想と偽装の向こう側
第4章 同棲スタート
「おっ!カレーいい感じになったぞ。食べよう~!」


「本当だぁ~!いい匂い!」


食欲を誘うその香りに、ギュルルル~と、お腹が鳴ってしまった。


その音に小田切さんは、笑顔で


「腹へったよな。早速食べよう!」


ご飯にカレーを注いで私に渡した。


いつも笑顔でスマートに流してくれるよね…。
それも優しさなんだろうな…もっと色んな面も見ていけるのかな…。


食卓のセッティングも終わり、先ずビールで乾杯した。


「改めて、二人の門出にの同棲に乾杯!!」


「か、乾杯です」


そんなにハッキリ言い切られるのもと、恥ずかしくなりつつ、カチンっとグラスを当てた。


「これから宜しく!」


「はい…」


ん?流れで返事しちゃったよ!
本当にいいのか!?
またしても自問自答しながら、カレーを一口。 


「うんまいっ!!!」


予想以上に美味しくて、興奮気味に言葉がついた。 


そんな私に小田切さんは満足気に頷いて、


「だろ~!小田切スペシャル、イケるだろ!」


「うん!うん!」


本当に美味しいぃ~!
きっと猫まっしぐらな勢いで食べてる私に、小田切さんが一言。


「元彼のどこに惚れたの?」


「んぐ!ぶっふぅ!」


唐突過ぎる質問に、口の中のカレーを吹き出しそうになり堪える。


「このタイミングで聞きますか!」


「ま~ね~」


グラスにビールを注ぎながら、しれっと答える。


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