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理想と偽装の向こう側
第12章 板ばさみ
「前にも言ったけど…女には限界があるのよ。卵子の数も、産める年齢にも。だから少しでも自分の遺伝子を残すために優秀だったり、生存率高めるために遺伝子だって頑張ってるのよ!」


「は、はい!」


キタっ!黎子の遺伝子論!


「私たちの最小単位は細胞なのよ!その一つ一つに遺伝子は存在してるんだから!絶対に逆らえないんだからね!」


「分かりました~!!」


ぜぇ~
何でこんなに焦ってしまうんだろうか。


「で、小田切さんの子供なら欲しいのね?」


「へっ!何で決定なの?」


「嫌なの!?」


黎子が凄味を利かせて聞いてくる。 


「嫌も…キスもしてないのにイメージ付かない…」


「好きになり始めてるんじゃないの~」


黎子は、焼酎を飲み干しながら突っ込む。


尋問みたいだな。


「…それは…認めるよ…。」

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