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理想と偽装の向こう側
第14章 時限爆弾
思考が固まり、一瞬何が起きたか分からなくなった。


「な…なにするのよ」 


「ははっ!これじゃあ、仕事出来ねぇな!」


出来なくしたのは、あんたでしょ!
本当に私なんて、嘉之には玩具なんだ!


「ちょっと、いい加減にしてよ!」


「最後だと思って飲もうよ。ちゃんと話しも聞くしさ」


その瞬間、小田切さんの言葉か過った。


『本音、言わないときっと君も後悔するよ…』


嘉之の本音…。


聞けたら…
6年間の呪縛から、解放されるかもしれない…

6年間…求めて止まなかった願い…。


「分かった…」


嘉之は、微笑みながら


「シャワー浴びなよ。服はホテルのクリーニング頼んでおくから。二、三時間で出来上がるんじゃない」


「…うん」


私はバスルームに向った。


流石、高級ホテル!


アメニティが可愛く揃ってるし、タオルもバスローブもふかふかだった。


こんなシチュエーションじゃなきゃ、もっと楽しめるのにな…。


そんなこと思いつつ、ワイン臭いブラウスのボタンを外していった…。

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