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理想と偽装の向こう側
第6章 予測不可能
聞き覚えのある声に振り返る。


「滝島さん!」
「滝島…」


またしても驚く私に、露骨に嫌な顔する小田切さん。


「アフターファイブデート~?てか小田切、何だよその怪訝な顔は!」


「お前いると面倒が、起きそうだ」


「ひでぇ~!家族のために健気にレンタル屋に来てる俺なのに!」


「お前の家庭の事情なんか、知らないよ」


「渡辺さん!こいつの本性だからな!無駄な笑顔に騙されないようにな!」


「てか、用事済んだら帰りなよ。愛娘が待ってるだろ。」


「今日、遅くなる言ってるし。娘はいつも、先に寝ちゃってるから大丈夫なんだよ!」


「…寂しいな…お前」


「…あぁ!しまった!要らんこと言っちまった!」


ぷっ!!素人漫才みたいで面白い。


なにより等身大の小田切さんに、ワクワクしてくる。 


「何観るの!やっぱり王道のディズニーだよね!」


「観ないよ!」
「観ないです」


「えっ!うっそ!マジ!?」


私と小田切さんハモりの返答に、滝島さんは本気で驚いていたのが可笑しくて、笑ってしまった。


色んなジャンルで5本借りた。


これを明日一日中、観るのか…小田切さんは不思議な提案が多いなぁ~。


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