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理想と偽装の向こう側
第6章 予測不可能
◎ ◎ ◎ ◎


ランチは会社の近くのカフェに入った。


ランチメニューをオーダーし、井関さんが笑顔を向けて


「最近、渡辺さんらしさが戻って来たんじゃない?」


「私らしさですか?」


なんだろう?


「元気に一直線的な」


「…猪みたいですかね」


苦笑いで答える。


「情熱的で、素敵だと思うけど」


あぁ…井関さん器が違う!


「私、井関さんみたいな、ちゃんと全体感に立って、器のデカイ人間になりたいです!」


「あら、かなりの好評価ね。そんな立派な人間じゃないわよ。上からも下からも周りに支えられて今の立場があるんですもの。」


井関さんは、謙遜じゃなく本当に思って言ってるんだろう。


烏滸がましくないのが、本当に尊敬してしまう!


「私…こないだ井関さんに声かけてもらって本当に嬉しかったし、自分のキャパの小ささや浅はかさを痛感しました」


「そうなの?でも、自身を省みれるって素晴らしことよ。そうゆう人は絶対成長するわ」


「頑張ります!」


井関さんの期待を裏切らないよう…いい会社と言ってくれた小田切さんにも応えたいと、やる気が充満してきた。

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