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異世界のイケメンに脱童貞させてくれとお願いされている
第2章 女神様と童貞
さて、わたしは小さな部屋にユーグと二人きりで残された。相手はガチガチに固まっている。たぶんわたしの方が年上っぽいし、一応女神様なんだし、こちらから声をかけてやるか。
「あなた、神様に祈るくらい童貞卒業したいの?」
あ、しょっぱなからこの質問は手厳しかったかな。
ユーグはびくりとする。額には汗の粒がびっしりだ。
「は、はい!」
突然大声で返されて、今度はこっちがびくっとなる。
「自分には恋人がいたことがありません。体を繋げるのは情の通った相手と、と決めておりましたが、その機会もなくこの歳まできてしまいました。同僚にはまだ経験がないのかと揶揄されております」
ずいぶん率直に答えるな。イケメンなのにちょっと残念というか、そこが愛らしいというか。
「ちなみに、歳っていくつ?」
「二十六です」
わたしより四つ下か。この世界の適齢期っていくつなんだろう。顔だけ見るとモテそうなのに、性格に難でもあるのだろうか。ベッドの中で気遣いのない男だったら嫌だなぁ。
「今までお見合いとかもないの?」
「自分は恋愛結婚が理想ですので」
なるほど。今まで恋人が出来なかったのが一番のネックか。まぁ真面目で理想主義者っぽいということはわかった。
「なんで今まで恋人が出来なかったの?」
まるで面接官みたいだな、わたし。しかも偉そう。まぁ女神様なんだから許してもらおう。
ユーグはぐっと言葉に詰まった。
「それは自分の不徳のいたすところで……」
「神の扉を開くくらい切実に願っておいて、原因分析も出来てないんかい」