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異世界のイケメンに脱童貞させてくれとお願いされている
第2章 女神様と童貞
 

 ユーグはまたぐぐぐと言葉に詰まった。

「その、仕事のせいにする訳ではないのですが、自分は長いこと国境警備の任についております。詰めていた砦に女性は少ないですし、休暇で街に戻ることもありますが、短期間で恋に落ちる性格でもありませんし……」

「なるほど、仕事が忙しかったと」

「い、いえ、同僚には結婚している者の方が多いですし、純粋に自分がどんくさいだけなのだと思います」

 この男、けっこう奥手なのかな。モテなかったわけはないと思うんだけど、とんでもない鈍感だとか?

 ふと疑問に思ったことを口に出してみる。

「ちなみに、体を繋げるなら恋人と、って言ってたけど、相手がわたしでもいいのかな?」

 突然、ユーグがまた大声で答えた。

「女神様なら大歓迎です! もういっそのこと自分の流儀を曲げて娼館に行こうかと、その勇気をくださいと祈りましたところ、ま、ま、ま、まさか、女神様ご本人が降臨されて、その身を与えてくださるとは! これぞまさに天の助けだと感謝しております!」

 ふーん、わたしとの出会いをそう受け止めたわけか。童貞拗らせすぎて発想が飛躍したな。ていうか、女神様に祈る内容として、それってどうなの。

 まぁいいけど。わたしももうユーグと寝る気だし、細かいことは突っ込まないようにしよう。

 だいたいの事情がわかってきたところで、神官が戻ってきた。

「お部屋の準備が整いました」

 
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