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異世界のイケメンに脱童貞させてくれとお願いされている
第6章 ご卒業おめでとうございます
昨夜の記憶を頼りに、金色の扉がある部屋を探す。蔦の装飾が施された扉がドーンと構えているのを発見して、慌てて駆け寄った。
表面に触れる。扉はあっさりと開いた。向こう側にはいつもの見慣れたわたしの部屋。口の空いた缶チューハイと、食べかけのお惣菜。スリープモードのパソコン。たった一晩離れていただけなのに懐かしい。
わたしが扉をくぐり抜けようとすると、急に体が動かなくなった。
振り向けば、体に巻き付けたシーツの端をユーグが掴んでいる。
「ちょっと、離してよ! ていうか、ユーグ、裸!」
服を着ろ、服を。逞しい筋肉だけじゃなく、股間の大きなアレもぶらんぶらんしているぞ。
「どこに行かれるのですか、女神様」
「どこって、元の世界に帰るんだよ」
「なぜ」
なぜ? なぜって何だ。元いた場所に帰るのがそんなに悪いのか。
ユーグの顔が、笑っているのにも関わらず、ちょっと怖い。