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異世界のイケメンに脱童貞させてくれとお願いされている
第2章 女神様と童貞
そうか、さてはこれ、夢だな?
仕事のしすぎか、ゲーム実況の見すぎか、それともその両方のせいか、わたしは夢でも見ているのかもしれない。酒も入ってるしな。
やけにリアリティがあるけれど、それはよくあることだ。わたしは小さい頃から物語性のある夢ばっかり見る傾向があった。こういった人物に体温や匂いがあるようなものも珍くない。またネットの掲示板で、こんな夢を見たよ報告でもしてやろう。
銀髪の神官らしき麗人が言う。彼も多少浮き足立っているようだ。
「神の扉が開いて、この方が現れたのですね? この珍しいご装束。女神様に違いありません」
シャツブラウスにジャージの上下なんだけど、人前に出るには珍しい姿だね、確かに。
「ユーグ殿の願いをお聴きになられてご降臨されたのですか?」
「じ、自分はただ、女神様にこの身を捧げたいと願ったのであります。そうしたら扉が開いて……」
おい、さっき童貞卒業させて欲しいとか言ってただろ。何綺麗な言葉でラッピングしてんだ。
「勝手に話を進めないで。ちょっと説明してくれる?」
夢だと割りきったわたしはとたんに腹が据わった。夢はいつか覚めるからね。何が起きても大丈夫。
わたしの言葉に、二人は今さらながら地面に膝をついて頭を垂れた。
「申し訳ございません、女神様。つい興奮してしまい、礼を失しました。なにとぞご容赦を」