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そのキスは許されていない……
第3章 心の声 躰の欲
「あっ、あっ、あっ、あっ……」

それからギシギシと軋むベッドに女の甘ったるい声。

お嬢様に向けるはずだった欲望の矛先を、目の前の細身の妻に……

その夜も自分だけの所有物であるその妻の躰を蹂躙した。

「いやぁ~~~~~~~~」

女は目も眩むような快感に震えながら…

私の躰の下でワントーン高い艶声を上げた。

膣内(なか)がびくびくと震えている……

達したキツイ締め付けに、イクのを遅らせるために眉根を寄せて耐えながら

やり過ごす。

少し緩んだ瞬間、パン、パン、パン、パン……

とリズミカルに身体を押し付けて抜き挿しする音に呼応して

「あんっ、あんっ、あんっ、あんっ……」

私は女の腰を唐突に鷲掴みし、挿入する角度を変えながら、

ただ自分の気持ちイイところを何度も繰り返し突き上げ、擦り付け続けた。

この女の快感なんて関係ない……

ただ自分から湧き上がる醜い感情を振り払い、欲を満たすためだけに、

目の前に捧げられた私だけのために開かれる躰を犯し、無心に腰を振り続ける。


先ほどまでの忌々しい記憶を振り払い、書き換えるように…

ただ目の前の裸体に思いのままに自分の欲を打ち付けた。

「いやん、だめ、あぁぁ~」

それなのに、この女はどんなに乱暴にしても顔を歪ませ、

悦に入った声を上げて淫らに乱れ狂って、

自分の享受する快感をこれっぽっちも隠さない。
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