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女子大生 成宮恵理
第10章 好きな人、いるよ
……えっ?……
男の子に面と向かって可愛いだなんて今まで殆ど言われた事がなかった恵理はその言葉に大きく動揺した。
しかもそれを密かに想いを寄せる悠一郎から言われてしまった訳で、その動揺は隠せない。
胸がキュンと苦しくなって顔が一気にカァっと熱くなる。
でもお酒で元々赤くなってたから悠一郎はそれに気付かなかったかもしれない。
「ハハッ、もー……悠一郎君ってどの女の子にもそういう事言ってるんでしょ?なんか言葉が軽いもん、あーヤダヤダ、そうやって女心を弄ぶんだ。」
「いやいやそんな事ないし、本当だって。恵理は可愛いって俺の周りにいる男は皆言ってるよ。俺もそう思うし。」
恵理が赤くなった顔を手で扇ぎながら冗談っぽく済ませようとしたのに、悠一郎は真顔で言ってくるから困る。
「ていうか本当に彼氏作るつもりないのか?」
……どうして悠一郎君が私にそんな事聞いてくるのよ!……
内心涙目で思いながらも恵理はそれに無言で耐える。
「恵理だってさぁ、彼氏欲しい時くらいあるんだろ?」
「それは……まぁ……」
「だろ?だったら早く作った方が良いって。恋人のいない大学生活なんて後から振り返ってみても悲しいだけだぞ。」
何言ってるのこの人。なんで上から目線なの?
失恋の苦しみとその相手への怒りが入り交ざって心の中がグシャグシャになる。
「……悠一郎君には関係ないじゃん。」
でも今の恵理には怒り口調でそんな言葉を返すのが精一杯。
「俺は心配しているんだよ、恵理の事を。」
心配なんてしてほしくない。もう私の事なんて忘れちゃえばいいのに。
怒りの次は自暴自棄になる。
何気ない悠一郎の言葉が恵理の心を掻き乱していた。
男の子に面と向かって可愛いだなんて今まで殆ど言われた事がなかった恵理はその言葉に大きく動揺した。
しかもそれを密かに想いを寄せる悠一郎から言われてしまった訳で、その動揺は隠せない。
胸がキュンと苦しくなって顔が一気にカァっと熱くなる。
でもお酒で元々赤くなってたから悠一郎はそれに気付かなかったかもしれない。
「ハハッ、もー……悠一郎君ってどの女の子にもそういう事言ってるんでしょ?なんか言葉が軽いもん、あーヤダヤダ、そうやって女心を弄ぶんだ。」
「いやいやそんな事ないし、本当だって。恵理は可愛いって俺の周りにいる男は皆言ってるよ。俺もそう思うし。」
恵理が赤くなった顔を手で扇ぎながら冗談っぽく済ませようとしたのに、悠一郎は真顔で言ってくるから困る。
「ていうか本当に彼氏作るつもりないのか?」
……どうして悠一郎君が私にそんな事聞いてくるのよ!……
内心涙目で思いながらも恵理はそれに無言で耐える。
「恵理だってさぁ、彼氏欲しい時くらいあるんだろ?」
「それは……まぁ……」
「だろ?だったら早く作った方が良いって。恋人のいない大学生活なんて後から振り返ってみても悲しいだけだぞ。」
何言ってるのこの人。なんで上から目線なの?
失恋の苦しみとその相手への怒りが入り交ざって心の中がグシャグシャになる。
「……悠一郎君には関係ないじゃん。」
でも今の恵理には怒り口調でそんな言葉を返すのが精一杯。
「俺は心配しているんだよ、恵理の事を。」
心配なんてしてほしくない。もう私の事なんて忘れちゃえばいいのに。
怒りの次は自暴自棄になる。
何気ない悠一郎の言葉が恵理の心を掻き乱していた。