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女子大生 成宮恵理
第11章 酔っ払ってるでしょ?
「で、その相手とは上手くいってるのか?」


恵理はそれに対して少しの間考える素振りをした後、俯き加減で首を横に振った。


「え、そうなの、なんで?」


「なんでって言われても……」


「振られたのか?」


恵理はどうして悠一郎がこんなにも自分の恋愛話に執着してくるのかが分からなかった。

でも、もうどうやったって悠一郎はこの話題を止めてくれないようだし、恵理は仕方なくそれに付き合う事にした。


「そういう訳じゃないけど……」


「じゃあなんで上手くいってないんだよ。」


「それは……その……相手の人に彼女ができたみたいで……だから」


「え?へぇ……あぁそうかぁ……ふーん……それ最近の話?」


「うん、まぁ割と最近かな……うん。」


「そうなのかぁ……。」


恵理が失恋した事を知って申し訳ないと思ったのか、悠一郎の表情が沈む。

部屋の中が一瞬重苦しい雰囲気になった。


「そうかぁ、悪かったななんか。」


「べ、別にいいけど、そんなあれだし……。」


「ていうか恵理それで最近元気なかったのかぁ、俺ずっと気になってたからさ。」


また悠一郎の口から出た、意外な言葉。

〝ずっと気になってたから〟

そんな事を言われてしまうと、胸の奥から熱いものが込み上げてきて泣きそうになる。

お酒が入っているからというのもあるのかもしれないが、感情を押さえつけるための心の壁が低くなってきている。

たとえ上辺だけの言葉だったとしても、嬉しくてたまらなくなっている自分がいる。

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