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女子大生 成宮恵理
第11章 酔っ払ってるでしょ?
「なんか、今日の悠一郎君変だよ?」
「そうかぁ?どこが?」
「なんか、やたらと優しいし。」
「俺はいつも優しいだろ。」
「はいはい。」
気が付けば、2人で何缶ものお酒を空けていた。
恵理にとってはこんなにも多くのアルコールを摂取したのは初めての事。
普段は絶対こんなに飲めないのに、今日はなんだか不思議と飲めてしまう。
それは悠一郎とソファでまったり話しているのが凄く心地良かったからなのかもしれない。
少しずつ口に含んで飲んでいく。スーッと身体にアルコールが入っていく感覚が気持ちいい。気持ち良いから止められなくなって、どんどん飲んじゃう。
「悠一郎君、酔っ払ってるでしょ?」
「いや酔っ払ってるのは恵理の方だろ。ていうか結構飲んだな。」
「うん、なんか今日は飲めちゃう。私お酒あんまり飲めないはずなんだけど。」
「良い事じゃん、ほらもっと飲みたければまだあるぞ。今日は酔い潰れても俺が介抱してやるからさ。」
「えー嫌だよそんなの、なんか怖いし。」
「はぁ?俺信用ないの?」
「うん、ない、全くない。」
「ひっでぇなぁ。」
2人でそんな会話をしながらヘラヘラ笑ってる。2人とも酔っ払ってるんだ。でも楽しい。
ふと恵理が時計に目を向けるともう夜中の12時を回っていた。
もう帰ってもらわないといけない時間だ。
でもなんとなく今はそれを言いたくなかった。
悠一郎と過ごすこの時間が凄く楽しくて、ずっとこの時間が続けばいいのになんて、いけない事を思ってしまう。
駄目、一度リセットしないと。
「私、水持ってくるね。悠一郎君も飲む?」
「おぉ、頼むわ。」
そう言って恵理がソファから立とうとする。
しかし立ち上がろうとした瞬間、恵理の身体はよろめいて、倒れそうになった。
「おっと!大丈夫か?」
悠一郎が咄嗟に両手を出して恵理の身体を支える。
「キャッ!」
故意ではないが、悠一郎に抱きしめられるような形になってしまった。