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女子大生 成宮恵理
第11章 酔っ払ってるでしょ?
「お前やっぱり酔っ払ってるじゃん。」
「だ、大丈夫大丈夫、ちょっとクラっとしただけだから。」
と言いながら、悠一郎に抱きしめられて異常にドキドキしてしまっている恵理。
胸が爆発しそうなくらい高鳴ってる。
「ね、ねぇ、もう大丈夫だから。」
そう言って恵理は悠一郎の手から離れようとするが、そこでまたよろめいてしまう。
「おいおい無理するな、転んだら怪我するぞ。水は俺が持ってきてやるから座ってろって。」
「うん……ごめん。」
膝に力が入らない。どうやら相当にアルコールが回ってしまっているらしい。
でも気分が悪いとか、体調が悪くなっている感じはしなかった。
ただ頭の中がフワフワしていて、気持ちが良い状態が続いている感じ。
「ほら、水。」
「ありがと。」
悠一郎が持ってきてくれた水が、アルコールで火照った恵理の身体を少しだけ冷ましてくれる。
「ふぅ、やっぱりちょっと飲み過ぎだったかな。」
「気分悪いのか?」
「ううん、そこまでじゃないけど。」
悠一郎がソファに戻ってきて、また恵理の隣に座る。
そうすると恵理の心はホッと安心する。何ともいえない安らかな気持ち。
悠一郎と奈々が付き合い始めてから、ずっと心の中の何かがスッポリ抜け落ちてしまったようで不安だった。
でもこうやって悠一郎がいっしょに居てくれるだけで、恵理の心は温かいもので満たされていく。
これが恵理にとっての幸せなんだ。
悠一郎がいてくれるだけで幸せ。
これが恵理の本心だと、恵理は今、その自分自身の気持ちを認めざるを得なかった。
……ずっと、悠一郎君と一緒にいたい……
もし悠一郎がいなくなったらと思うと、怖く怖くて堪らなかった。