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女子大生 成宮恵理
第13章 そろそろ寝る?
「冗談だって、別に怒らなくてもいいだろ。」
「怒ってない!……もう寝よう。で、明日朝一番で帰ってね。」
「はいはい。あっ、朝飯作ってくれる?」
「はぁ?なんで私がそこまでしないといけないのよ。」
「だって恵理料理上手じゃん。最近恵理の料理食ってないなぁって思って。」
そんな風に褒められて、素直に嬉しくなってしまうのが悔しい。
3人で遊んでいた頃はよく恵理が料理を作って悠一郎と奈々に食べさせてた。
奈々は殆ど料理しないから。
「……まぁ……朝ご飯くらいならいいけど。」
「マジで?よっしゃ!俺朝めちゃくちゃ食うからさ。」
「フフッ、そうなんだ。じゃあ沢山作るね。」
私が彼女だったら、毎日でも作ってあげられるのに。
それで悠一郎が美味しそうに食べる顔をじっと眺めるんだ。
想像するだけでニヤついてしまう程幸せな気分になってしまう。
「何作ってくれるの?」
「うーん何にしようかなぁ、何が食べたい?」
「俺あれ、出し巻き卵と味噌汁、最近和食食ってなかったんだよな。」
「フフッ、いいよ、私出し巻き卵得意だし、他には?」
「そうだなぁ、牛丼とか。」
「えー朝から牛丼?フフッ、絶対おかしいよそれ。」
「変かな?実家にいた時は朝からカレーとかよくあったし。」
「へぇー悠一郎君のお母さんって料理上手?」
「どうだろう、普通だと思うけど、恵理程じゃないよ。」
「えーもぉーそんな褒めても何も出ないよ。」
奈々には悪いと思いつつも、やっぱり悠一郎といるのは楽しい。
でも、今日くらいいいよね、少しくらい幸せになっても。
悠一郎と話している内に、徐々にそんな風に思い始める恵理。
奈々への罪悪感が薄くなっていく。
これもお酒に酔っているせいなのかもしれない。
ズルイ女かもしれないけれど、そういう事にしておきたい。