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女子大生 成宮恵理
第14章 そっち行っていい?

「やだぁ、ちょっと出てってよぉ!」


「いいじゃん、二人の方が布団の中もっと温かくなるよ。」


「そういう問題じゃないし、もぉ何やってるのぉ。」


困り果てた顔の恵理を差し置いて、布団に潜り込んで動こうとしない悠一郎。


「恵理の布団フカフカだな。あ、なんかすげぇ良い匂いするし、恵理って香水とか付けてる?」


「つ、付けてないけど。」


「そっかぁ、じゃあこれは恵理の匂いだなぁ。」


そう言って悠一郎は恵理の枕に鼻を当てて大きく息を吸い込んで見せた。


「や、やめてよ変態!やだもぉ……。」


「いいからいいから、ほら恵理も入れよ。」


掛け布団の片側を手で上げて誘ってくるが、当然恵理は躊躇していた。


「でも……。」


「いいから入れって。」


悠一郎に手を引っ張られて、少し強引に布団の中に入れられた恵理。

その時殆ど抵抗しなかったのは、本音では悠一郎の隣で寝る事が嫌ではなかったからだ。


「もぉ……」


二人が寝るには少し狭いシングルベッドだから、お互いの体温をすぐに感じる。

一緒の布団で寝ている夫婦はいつまでも若々しいという話を聞いた事があるけれど、それが頷けるほど布団の中には特別な空間が広がっている感じがした。

二人の体温が混ざって、まるで悠一郎と一体になったみたい。

少し動くだけで手や足が触れ合う。その度に胸が高鳴ってしまう。

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