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女子大生 成宮恵理
第14章 そっち行っていい?
「そっちちゃんと布団ある?」
「うん大丈夫、悠一郎君の方はちゃんと足りてる?」
「ちょっと背中出てる。もう少しそっち寄っていい?」
「……いいよ。」
さらに近づいて、身体の側面が密着する。
それから少しの間沈黙があった後、悠一郎が口を開いた。
「恵理もう眠い?」
「ううん、なんかあんまり眠くない、悠一郎君は?」
「俺も全く。」
「二人ともお酒入ってるのにね。」
「な。でも恵理は結構酔ってるだろ?」
「うん、なんか頭フワフワしてるもん。悠一郎君はお酒強いね。」
「そんな事ないよ、俺も結構酔ってる。」
「ホントに?全然変わらないね。」
「顔に出ないタイプだからな。」
悠一郎の声は低くて、その細かな低音震動が触れ合った肩やベッドから伝わってきて心地良い。
声って大事。声にも相性はあるのかもしれない。
悠一郎の声は恵理の身体の中にスーッと入ってきて、安らぎを与えてくれる。
きっと他の人の声だったらこんな風には感じないだろう。
ずっと聞いていたいな、と素直に思えてしまう。
「なぁ恵理、1つ聞きたいことあるんだけど。」
「ん、なに?」
「さっき言ってたさ、恵理の好きな人って誰?」
またその話か、という気持ち半分、自分の事を聞かれて嬉しいの半分。
「……誰でもいいじゃん、そんなの。」
「よくねぇって、教えてよ。」
「そんなの悠一郎君が気にする事ないよ。」
「めちゃくちゃ気になる、たぶん寝れないのはそのせいだと思う。」
真面目な顔でそんな事を言うから、恵理は思わず笑ってしまう。
「フフッ、なにそれ。だいたい、そんな事知ってどうするの?」
「どうするって……たぶん凄く嫉妬するだろうな。」
「……え?嫉妬?どうして?」
「だって俺、恵理の事好きだし。」