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女子大生 成宮恵理
第29章 最低だよね
悠一郎からはその日の内にメールがあった。『大丈夫だった?』と。
恵理はそれに対して『うん、大丈夫だったよ』と返信したが、たったそれだけの文章なのに書いては消し、書いては消しを繰り返して、返信にするのに何時間も掛かってしまった。
大丈夫って、何が大丈夫なんだろう。
奈々に昨日の事がバレていないという意味ならば、大丈夫なのかもしれない。
でも奈々に嘘をついて騙して、それに気付いていない奈々を見てホッとしているような自分が嫌だった。
本当は、大丈夫だけど大丈夫じゃないって言いたかった。
その後悠一郎からは雨宿りさせてくれてありがとうという事と、酒に酔っていたとはいえ悪かった、ごめん、というメールが送られてきた。
それに対しては、恵理は結局なにも返信する事はできなかった。
ショックだったから。
悠一郎にとってあの夜の事は、お酒に酔っての出来事だったのだと。
〝俺、恵理の事好きだし〟
悠一郎のあの言葉はいったいなんだったんだろう。
ソファの上に体育座りになって小さくなる恵理。口を膝に当てながら、テーブルの一点だけをじーっと見つめる。
恵理はそれに対して『うん、大丈夫だったよ』と返信したが、たったそれだけの文章なのに書いては消し、書いては消しを繰り返して、返信にするのに何時間も掛かってしまった。
大丈夫って、何が大丈夫なんだろう。
奈々に昨日の事がバレていないという意味ならば、大丈夫なのかもしれない。
でも奈々に嘘をついて騙して、それに気付いていない奈々を見てホッとしているような自分が嫌だった。
本当は、大丈夫だけど大丈夫じゃないって言いたかった。
その後悠一郎からは雨宿りさせてくれてありがとうという事と、酒に酔っていたとはいえ悪かった、ごめん、というメールが送られてきた。
それに対しては、恵理は結局なにも返信する事はできなかった。
ショックだったから。
悠一郎にとってあの夜の事は、お酒に酔っての出来事だったのだと。
〝俺、恵理の事好きだし〟
悠一郎のあの言葉はいったいなんだったんだろう。
ソファの上に体育座りになって小さくなる恵理。口を膝に当てながら、テーブルの一点だけをじーっと見つめる。