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女子大生 成宮恵理
第29章 最低だよね
「ど、どうしたの!?」
目を丸くして驚く恵理。
「ぅぅ……ぅぅ……」
「奈々、どうしたの一体……とにかく入って、ね?話聞くから。」
恵理は喋れないほど泣きじゃくっていた奈々を気遣うようにして部屋に入れた。
そして恵理はこの前自分がしてもらったように、温かい飲み物を入れて奈々に出した。
「ねぇ奈々、何があったの?」
心配そうにそう声を掛ける恵理。
そこで少しずつ落ち着きを取り戻していた奈々がようやく、手で涙を拭いながら口を開いた。
「悠一郎が……悠一郎が……浮気してた。」
「えっ」
一瞬、恵理の息が止まる。
全身の毛穴が開いてドバァっと冷や汗が溢れてくるような感覚。
当然恵理の頭の中にはあの夜の事が思い出される。
悠一郎があの事を奈々に話してしまったのかと。
しかしよく考えてみれば、それならば奈々が今ここに来るはずがない。
手が震えるほど激しく動揺しながらも、続けて話す奈々の話に恵理は耳を傾けた。