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女子大生 成宮恵理
第29章 最低だよね
「……最近全然会ってくれないし、連絡してもなかなか返信してくれないし変だなと思ってたの……それで今日どうしても会いたくなって悠一郎のバイト先の近くで待ってたの……そしたら悠一郎が女の子と仲良さそうに出てきて……私声掛けられなくて……悠一郎……その子と手繋いで歩いてたの……ぅぅ……。」


「……そんな……」


恵理は言葉を失った。悠一郎がまた別の子と浮気してたなんて。

本当は親友として奈々を慰めないといけない場面だけれど、それ以上に自分自身が混乱してしまう。


「……奈々……私……」


なんと声を掛ければいいのか。

そんな風に恵理が悩んでいると、奈々がポツリと呟いた。


「……別れたの……」


「えっ?」


「私我慢できなくて、さっき電話して問い詰めたら……別れようって……言われたの……」


そう力なく言うと、奈々は恵理の胸に抱き付いて再び大粒の涙を流し始めた。

それこそ子供のように声を上げての号泣だ。

奈々の涙で恵理が来ていた服が濡れていく。


「奈々……」


恵理はそっと奈々を抱きしめながら、自分自身も目に涙を溜めていた。

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