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びっちカノジョ 【1期目】
第10章 Scene.09
オートロックを解除する。
「…これは」
外観は古ぼけた木造建物。
扉を開けて入れば、まるでラブホのような内装だった。
ダブルのベッドの頭元に二つの枕にティッシュ箱。
ガラス張りのトイレと浴室。
「ふふっ……あのおばさん………」
素朴な外見には不釣り合いな宿屋に思わず笑みが溢れた。
というか、ハナからアタシが商売するとしか思ってなかったに違いない。
一人で泊まるのにダブルベッドとか有り得ない。
観音開きの窓を開ければ涼しい風。
そして、裏通りを行き交う人影。
「いや…近いでしょ………」
窓の傍が通り。
窓から出入り出来る近さ。
窓から身を乗り出せば、両脇は疎か、連なるお店は全てが風俗系。
「狙ってるとしか思えない………」
部屋に居ても窓の傍で客引き出来る配置。
お客もやろうと思えば窓から出入り出来る。
アタシも外に出られるけど、それはしたくない。
「………取り敢えず…考えよ」
窓をパタンと閉めて気付く。
「…カーテン無いし…丸見え…じゃない?」