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びっちカノジョ 【1期目】
第10章 Scene.09
「………」
試しにガラス張りの浴室に入った。
ガラス二枚分通しているからか、鮮明には見えない。
鮮明には。
ただ、人影は判別出来る。
「って事は…当然………」
部屋に戻る。
裏通りを歩く人の姿はバッチリだった。
「…ヤってるの…丸見えだよねぇ」
視られる事に抵抗はない。
アタシは。
視られて興奮するから問題ない。
「…アタシは良くても………」
お客が二の足を踏んだらどうしようもない。
アタシみたいに、視られて興奮するお客ばかりだとは限らない。
「って、何カラダ売るの前提で考えてんだろっ」
…やるつもりだったけど。
宿代の他にも稼がなきゃいけない。
万が一シュウたちに見つかったら、次こそ付き纏われそう。
理想はバレずにコソッとお金を返したい。
「………取り敢えず…ヤらなきゃなぁ」
―――――――――
「だぁぁっ! ホントにこっちなのかなぁ………」
「もうっ。歩きづらくて仕方ないわっ」
「だから、着いてこなくて良いって言ったのに」
「あ、アンタ一人じゃ何も出来ないから仕方なくよっ、仕方なくっ」
「…何も…連呼しなくても……。って、枝に頭ぶつけた」