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びっちカノジョ 【1期目】
第10章 Scene.09
持ってきてくれた料理に舌鼓を打つ。
素朴な味。
それでも、何処かしら母親の味を感じる。
「慌てなくて良いから、ゆっくり噛むんだよ」
「え、えぇ…」
そんなにがっついていたのかと思ったら恥ずかしい。
「アンタ若いんだし、色々経験するのも悪い事じゃないね」
少なくとも、この世界ではオトコとヤる事しかしてない。
そんな事は言えない。
「その内、アンタにも良い人出来るだろうしね」
こんなヘンタイヤリマンマゾビッチと一緒になりたい奇特な男が居るのか甚だ疑問。
「あは…は………」
乾いた笑みしか出せなかった。
「暫く居るつもりなら、ここを家だと思えば良いさね」
自室がラブホ仕様なのはどうかと思った。
しかし、それ以上に、おばさんの言葉が耳に残った。
「…えぇ。ありがとう」
素直に頭を下げた。
―――――――――
「もぉっ、だから野宿はイヤだってぇ」
「だから、着いてこなきゃいいだろっ」
「だ、だから、アンタ一人じゃ」
「アカネが居ても迷うのは変わらないんだからさぁっ」
「…もうご飯作らないからねっ」
「…ご飯に関しては有難く思ってます」