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びっちカノジョ 【1期目】
第13章 Scene.12
 
「で、他には誰か居るのかしらぁ?」

 革張りのソファーに座って出された紅茶を飲みながら訊ねる。

「は、はいっ。他にも………」

 答える山賊の一人がビビってどもりっぱなし。

「…そこで干涸らびてノビてるのは気にしないで?」

「は、はいぃっ!」

 ちょっとつまみ食いしただけなのにノビられた。

 欲求不満が増しただけだった。

「あ、後は、運転手を始めとして、数十人住んでおりますっ」

「何故敬礼?」

 そもそも、山賊が敬礼とか訳分かんない。

「この豪邸なら…それくらい居てもおかしくないわねぇ」

 とても、山の中とは思えない豪邸。

 高さもあれば広さもある。

 ヘタな高級リゾートホテル並み。

 でも、住んでるのが山賊。

「………で、アンタ達のボスは?」

 頭が痛くなるのを堪えた。

「か、頭【カシラ】は只今不在でありますっ」

 依然、敬礼したまま。

 そのくせ、極道口調だったり丁寧語だったり。

「…頭痛くなりそ………」

「おいっ、大変だっ。姐御が不調を訴えられてるぞっ」

「すぐに薬をお持ちしますっ」

 さっさと此処から出た方が、アタシの為にも良い気がしてきた。
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