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びっちカノジョ 【1期目】
第15章 Scene.14
それだって賭けだと分かってる。
静かになっても、抜け出した途端に見付かる可能性だってある。
抜け出す前にこの部屋が見付かる可能性だってある。
窓から出て走ってる時にだって、塀を越えようとしてる時にだって見付かるかもしれない。
悪いイメージばかりが湧いてくる。
「ま、まぁ、姐御ならもし捕まっても、もしかしたら逆に、アッシらみたいにアイツらをノビさせるって事もある………」
「あ、あは………そ、そうね………」
そうだったら凄いんだけど。
出来るイメージが湧かない。
ヤリマンビッチとは言え、いつも優位に立ててる訳じゃない。
どうなるかなんて分からない。
気休め程度に聞くしか無かった。
ここは五分五分になるように頑張って貰うしかない。
「ね、ねぇ。そのボ」
「しっ、静かにっ」
一瞬にして空気が張り詰める。
争う音が、外からだけでは無く、中からも鮮明に聞こえ始めた。