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びっちカノジョ 【1期目】
第15章 Scene.14
此処まで、建物の中の争う音を避けながら辿り着いていたと理解している。
しかし、扉の向こう側から聞こえる喧噪は徐々に大きくなっている。
近付いてきている。
「姐御………」
向こう側の様子を伺っていた山賊が静かに扉を閉める。
こっちを向いたその顔。
強張っていながらも、口角は上がっていた。
無理に笑みを浮かべている。
「…短い間だったけど、何だかんだ……楽しかったっス」
「な、なに…言ってんの?」
「姐御にトコトンヤられちまった時は、オトコとして自信無くしかけたっスよ」
「だ、だったら…アタシにリベンジしてみなさいよっ」
壁一枚隔てた争いの音が大きくなっている。
アタシにも分かる。
此処に向かっている。
「ははっ。…アッシは…姐御みたいにいい女とヤれたから…悔いはねぇっス」
「ちょ、ちょっとぉっ。なに言ってんのよっ」
「アッシの最後の勤めは……姐御を逃がす事っスから……協力して下さいっス」
「最後じゃ無いでしょっ!? 終わったら…いくらでもヤらせてあげるわよっ」
「………姐御に…また負けちゃうかもしれねぇっスね」
廊下と隔てる壁から大きな衝撃音が響いた。