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びっちカノジョ 【1期目】
第15章 Scene.14
「姐御……」
「なによ………」
「アッシが扉を開けたら……振り返らねぇで、窓から逃げてくだせえ」
「………」
「まだ、外がどうなってるか分かりゃしませんが、此処に居るよりマシっス」
「………」
他の山賊に比べてひょろっとした体軀。
頼りなさを感じさせながらも、右手にギュッと斧を握りしめて扉を見詰めている。
その右手が震えている。
それでも、アタシを逃がそうと、アタシと扉の間に陣取ってる。
一段と壁を叩き付ける音が大きくなる。
直ぐそこに来ているのは明らか。
山賊たちなのか敵なのか分からない断末魔が立て続けに聞こえてくる。
「わ、分かった…わよ」
腰が抜けて力が入らなかったカラダ。
それでも、壁を使って何とか立ち上がる。
「…アタシがおしっこ…洩らしたの……内緒よ?」
「ははっ。…此処に来て…姐御…強いっスね。やっぱ……アッシは敵わねぇっスよ。
でも、先に逝った仲間と、話のネタにさせて貰うっス」
「………バカ」
けたたましい音と共に扉が蹴破られた。