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びっちカノジョ 【1期目】
第15章 Scene.14
 
 アタシを逃がそうと必死になって連れてきてくれた部屋。

 此処に来た時点で手詰まっていた。

 格子に気付いたのはついさっき。

 山賊が背を向けて身構えていた時だった。

 必死になってくれたのに言えるわけが無い。

 アタシを逃がす事しか考えてないのに、『あぁ、ムリだから』なんて直ぐに言えるわけが無い。

 滲んで見える山賊が動かなくなった。

 アタシを最後まで逃がそうとしてくれた山賊。

 ピクリともしない。

 イノシシ頭の獣人が腕を掴んできた。

「ちょっと待ちなさいよっ」

 言葉が通じたのか空気を読んだのかなんて知らない。

 どうでもいい。

 壁の下で横たわる山賊に近付いて屈む。

 頭を持ち上げれば、まだ温かい。

「…アタシの…お漏らし………ネタにしたら…アンタ……ヤりまくってやるからね………」





 唇も…まだ温かく………柔らかかった。
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