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月満る夜
第2章 月の出
ユリエが浅い眠りに入った時、



ふいにドアをノックする音が聞こえた。



ユリエは目を覚まし、恐る恐るドアを開ける。



「ユリエ・・・!」



そこにいたのは、いとこのトマだった。



思いがけないお客様に、ユリエは戸惑う。



トマとはきょうだいのように育ったので、



まさか彼が自分を女性として見ていたとは思わなかった。



「君が欲しい・・・ぼくを受け入れてくれるかな?」



ユリエは迷いながらも、トマの思いがけない気持ちに嬉しくなった。



彼女はこくんとうなづく。



「やった!大好きだ、ユリエ!」



トマはそう言ってユリエの唇を奪った。



二人は顔を紅潮させ、甘美な陶酔に身を委ねた。
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