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隠匿シリーズ☆番外編
第4章 女たちの反乱
──一方、王城に残された者たち──レオと父、そして合流したセドリックは黄昏ていた。
アリエッタが母とザキファス邸に行ったのは、母から伝言を受け取った者から聞いていた。
だが乗り込めない。恐らく門前払いを喰らわされるのは眼に見えていたし、妻の実家というのは夫にとって気を遣う場所なのだ。
いくら国のトップにいる立場であっても、それはレオとて同じこと。もしも姑に睨まれたら引き下がるしかないのだ。
「……で、父上はなにをしでかしたんですか」
しかも母が絡んでしまっているだけに、状況は更にややこしくなっていて。
アリエッタが単独でレッスンをすっぽかし実家に帰るはずなどなく、母が連れ去ったのは容易に想像できる。
「なにもしておらん! 断じて……たぶん」
レオがじっと見据えると、父は尻すぼみに口調を弱めた。
「いやな、ただ……新しい侍女が入ったんだな、と言っただけだ」
視線をを泳がせる父を尚も見据え続ければ「可愛い子だな……とも言ったかもしれないなぁ」と白状する。
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