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隠匿シリーズ☆番外編
第4章 女たちの反乱
アリエッタがレオの私室に行くと彼の姿はなく。しかしアリエッタ到着の報せを受けたらしいレオが部屋に飛び込んで来たのは間もなくだった。
「アリエッタ! よかった、戻ってきてくれたのか」
抱き締められる気配にアリエッタは掌をみせて制止する。わざと口を尖らせて、小さく睨み上げて。
「その前に、言うことあるでしょ?」
怒ってはいないが、うやむやにする気はない。
「その……悪かった」
「なにが?」
「だから……少しからかい過ぎた」
「それだけじゃないわ」
アリエッタはゆるゆると首を振り、そしてまたねめつける。
「……人に見られそうな場所で変なことをするのはやめて」
「あー……善処はする」
歯切れの悪いレオにぷくりと頬を膨らます。
「わかった! わかったから、もう抱き締めていいか?」
「ダメ」
「なんだ!? まだなにかあるのか?」
焦る彼にアリエッタはフッと笑い、自分からレオを抱き締める。
「あのね、私もごめんなさい。勝手にいなくなったりして……」
眼を丸くするレオに微笑み「逢いたかったわ」と言えば、アリエッタ以上の力で強く抱きすくめられた。
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