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隠匿シリーズ☆番外編
第5章 騒動の行方



 王妃はレオに目配せする。


「レオ。この場は私たちに任せて、アリエッタを休ませてあげなさい」


 王妃が心配するほどアリエッタは血の気が消え失せ、今にも卒倒しかねない顔色だ。


 アリエッタは名を呼ばれたことは意識外で、レオが抱えるように立ち上がらせてくれるまで自失してしまっていた。


「すみません、母上。……伯爵、失礼させていただきます」


「レオ……?」


 扉の方へと促され、ようやく退室するのだと気付き戸惑う。


 途中からごっそりと記憶が無くなっていて、なにがどうなったかも理解していない。


 レオはなにも答えず、アリエッタを連れ出す。


 城からも出るつもりなのか、使用人に馬車を回すように伝え。そしてやはり帰るのか、アリエッタを乗せようとした。


「レオ……待って」


「今日はもうレッスンは休め。いいから帰ろう」


「そうじゃなくて……。帰るってレオも?」


「当然だ。キミをひとりに出来るわけないだろ」


 顔を覗き込んでくるレオは、アリエッタを案じる表情だ。


 そんなにも酷い顔色なのかと、アリエッタは顔を伏せた。






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