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隠匿シリーズ☆番外編
第5章 騒動の行方

アリエッタはひとつ大きく呼吸をする。
外の空気を吸い込んだら、幾分か落ち着きを取り戻す。そして深く反省する。
ショックを受け、複雑なのは己だけでないのだ。レオも王や王妃も同様に複雑で、自分だけ逃げるように休んでいいはずない。
それに伯爵やジゼルも相当な葛藤の末にサイラスを連れてきたはず。
孫が、子が、父の温もりを知らずに生きていく不敏さに心を痛め、来たのだ。
「レオ。私なら平気だから、戻ってあげて?」
レオだって我が子なら可愛いに決まっているのに、アリエッタの手前声をかけることすらしなかったのだろう。
皆がアリエッタを気遣ってくれているのに、自分ときたら己のことしか考えていなかった。
話もきちんと聞かず、呆然とし。
伯爵やジゼル、サイラスにねぎらいの言葉ひとつかけてあげられず。
かといってここでアリエッタも共に戻れば、親子水入らずの時間を邪魔してしまう。
だからレオだけ戻って欲しいと願い出たのだが。
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