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隠匿シリーズ☆番外編
第5章 騒動の行方

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ジゼルたちと逢って以来、レオと気まずい日が数日続いていた。
アリエッタは努めて気にしていないと振る舞っているものの、当のレオがどこかよそよそしいのだ。
しかもレッスンを暫く休むよう言われており、レオと居ることもままならず。そのレオも出掛けることが多く、邸に帰ってこない日もある。
(避けられてる……とか? まさか、ね……)
独りでいると、悪いことばかり考えてしまう。散歩でもして、気分転換しようと部屋から出る。
すると窓からナキラとキッシュの姿が見え、お茶にでも誘おうかと思い立ち。アリエッタはキッチンに行き、銀のトレイに三人分のティーセットを用意し、二人のところに行けば。
「──え? じゃあ城にジゼル様が通ってらっしゃるってこと?」
そんなキッシュの声が飛び込んできて、アリエッタは思わず立ち止まる。
「うん。城勤めの侍女から聞いた話だと、毎日足しげく通ってるって。さすがにサイラス様はお連れじゃないらしいけど……。これじゃあ箝口令敷いてても、意味ないわよ」
まったく、とナキラは不機嫌そうに話す。
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