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隠匿シリーズ☆番外編
第5章 騒動の行方

サイラスのことは、レオやアリエッタに近しいごく僅かな者たちにしか知らされていない。
アッシュブラン邸の使用人もジョシュアとナキラ、キッシュくらいなものだ。
「……今の話、本当なの?」
「アリエッタ様!? いつからそこに……」
立ち聞きしてしまった罪悪感より確認したいほうが先立ち、アリエッタは再度問う。
「ジゼル様が王城にいらしてるって……。それ、本当?」
二人はしまった、と顔を見合わせ、ナキラは黙りこくる。
それが真実だと示していた。
「そう、なのね……」
レオは一言も言ってくれなかったのに。
「あ、あのアリエッタ様! レオ様が呼んでらっしゃるってわけではなくてですね! それにジゼル様が勝手にって話ですし!」
ナキラは焦り、弁明をする。アリエッタは力無くナキラに笑いかけ、持っていたトレイを渡し「良かったら飲んで」とだけなんとか言い。
ヨロヨロとまた部屋へと戻った。
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