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第5章 騒動の行方

　崩れるようにソファーに落ちる。


　レオとジゼルが逢っている。それがアリエッタに重くのしかかる。


　サイラスのことは、アリエッタと出逢う前なのだから仕方ない。責めるのは筋が違うと言い聞かせてきた。


　しかしジゼルのこととなると、また別だ。


　あのあと伯爵やジゼルの願いをレオが叶えたかどうかは聞かされていないが、サイラス抜きで二人は今も逢い。


　レオが浮気をしているなど考えたくはないし、疑いたくもないが。


　アリエッタのレッスンを休ませ、城から遠ざけているのは、もしやジゼルと隠れて逢うためだと勘繰ってしまう。


　二人は以前恋人だったのだ。逢瀬を重ねるうち、関係が再熱してしまうのでは……。


　恐ろしい考えが過り、ブルリと細い肢体を震わせるアリエッタに追い討ちをかけるような知らせをナキラが持ってきた。


　遠慮がちに扉が叩かれ、ナキラがおずおずとアリエッタの前に立つ。


「アリエッタ様……大丈夫ですか？」


「ええ……」


「あの、実は……ジゼル様がお見えになってるのですが……」


「ジゼル様が？」


「はい。アリエッタ様にお逢いになりたいそうですが、どうしましょう」






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