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隠匿シリーズ☆番外編
第5章 騒動の行方

ジゼルが自分に逢いに……。
正直、まともに会話を出来るかどうかも怪しい精神状態にあるが、わざわざ足を運んだ者を帰すわけにいかないだろう。
「リビングにお通ししてもらえる?」
「よろしいんですか?」
「ええ。お逢いするわ」
ジゼルは前に逢ったときより疲れた様相だった。それが余計に彼女の色香を際立たせ、いっそう美しく見せている。
「度々押しかけてしまい、申し訳ありません」
「いえ……。お顔の色が優れないようですが、どこかお悪いのですか」
「あ……いえ。ただ……サイラスが不敏で不敏で……。もう私、どうしたらいいか……」
ジゼルの眦に雫が光る。アリエッタは慌ててハンカチを差し出すと、彼女は心許ない笑いを浮かべ、受け取った。
「みっともないところをお見せして申し訳ありません……」
「そんなことは……。それでサイラスがどうかされたのですか」
「それが……再三、殿下にサイラスを抱いてくださるようお願いしているのですが……。なかなかそうしてくださらないのです」
「え……?」
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