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第5章 騒動の行方

　アリエッタと別れたあと、レオはサイラスのところに行ったものだとばかり思っていた。


　けれどジゼル曰く、あの日レオが姿を現すことはなかったということだ。


　ジゼルはサイラスを想っての一心で、恥を忍んで城へと通い、頼みに行っているらしい。


「もしやアリエッタ様が反対なさっているのでしょうか……？」


「え？　いえ、それは……」


　反対はしていない。しかしアリエッタの存在がレオを踏みとどまらせている障壁になっているのだとしたら、違うと言い切れるだろうか。


　口籠るアリエッタにジゼルは前のめりになり、指を組んで懇願してきた。


「でしたらアリエッタ様から殿下を説得していただけませんか？　こんなことをアリエッタ様にお願いするのはどうかとは思いましたが……。他に頼れる方がいないのです」


　ジゼルは瞳を潤ませる。


「王さまや王妃さまも私と逢おうとしてくださらないのです……。父からもお願いはしてもらってはいるのですが。ご自分たちの孫でもあるのに、どうして……」


　──そうだ。王や王妃からしてみても、サイラスは可愛い孫なのだ。


　なのに彼らもアリエッタという正妻を気遣ってだろう。サイラスと堂々と逢えもしないのだ。






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