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隠匿シリーズ☆番外編
第5章 騒動の行方



 ジゼルは何を言いかけてやめたのか──考えるまでもなかった。


 レオに子がいたショックと混乱で思い至る余裕がなかったが、サイラスは次代の王太子の権利があったのだ。


 正式な妻との子ではなくとも、サイラスは正当なラインハルトの王位継承権を持っている。


 伯爵令嬢の息子ならば、身分も申し分ない。


 ようやく考え至ったアリエッタは、ひどく情けなくなった。


 王太子妃となって日が浅いとはいえ、自覚や覚悟が足りず、自身の気持ちやレオとの関係にしか眼が向いておらず。


 近い将来起こる可能性のある政治的問題や国の混乱を見通せていなかったのだ。


(私の混乱なんてちっぽけなものなのに……)


 サイラスを容認し、どこからか情報が漏れれば王太子問題に発展しかねない。


 水面下では貴族の権力抗争があるのだ。サイラスを擁立しようとする一派が出てくるだろう。ともすれば、国は乱れる。


 レオや王たちはそれも危惧しているのだ。


 だがこのままではサイラスは一生レオと逢えないままだ。


 アリエッタはレオが帰る日暮れまで、険しい顔付きで悩み続けた。







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