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隠匿シリーズ☆番外編
第5章 騒動の行方

アリエッタを哀しませたくないのは、世界中で誰よりもレオだ。だが今回に限ってはわけが違う。
他者を優先させるのは彼女のいいところでもあるが、彼女自身を破滅させかねない欠点でもある。
そして今後、二人の間に大きな亀裂を生んでしまい兼ねるかもしれない危険も孕んでいる。
「母上。アリエッタについても私なりに考えてはいます。ですので彼女のことも今は見守ってあげるだけにしていただきたい」
「つまりは口出しするなってことね」
不満げに不貞腐れる母に苦笑し、退席しようと立ち上がる。
「ジゼルたちやアリエッタのこと。あなたが口出しするなと言うならそうするけど、時間は限られてるわ。もしサイラスが本当にあなたの子なら、見過ごすのはできないわ。これは母としてではなく、ラインハルトの王妃としての忠告よ。もちろん、王さまも同じ考えだから」
「……胆に銘じておきます」
レオは母に一揖し、部屋を出た。
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