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隠匿シリーズ☆番外編
第1章 愛ある行為もほどほどに
やるべき仕事を終えたナキラは部屋で読書に耽っていた。と、そこにけたたましく扉が叩かれる。
「ナキラ! お願い、開けて!」
(この声って……)
ナキラは開いていた本を閉じ、テーブルに置いて急いで扉を開けた。
「アリエッタ様、どうされたんですか?」
姿形はレオだが、瞳を潤ませるのは中身のアリエッタだ。まだ元には戻れていないらしい。
「お願い、今夜泊めてくれない?」
「……へ?」
アリエッタの懇願に間抜けな顔で返事をしていれば、遠くからパタパタと足音が聴こえてきた。
「ナキラ……。とにかく匿って」
「わかりました。お入りください」
何となく事情は掴めた。アリエッタを部屋の奥へと通し入口から見えない場所に居るよう言い置くと、再度ドアが叩かれた。
来訪者は見ずとも解る。レオだ。
「どうされました?」
なに食わぬ顔で出ると、焦った様子のレオが中を覗き込んでくる。
「アリエッタが来てないか?」
「いらしてますが、なにか?」
「通せ」
強引に押し入ろうとしてくるレオをナキラは遮った。
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