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隠匿シリーズ☆番外編
第5章 騒動の行方

「どこもなにも、ただ調べただけです。サイラスを身籠った当時、あなたが関係した男たちを、ね」
紙に書かれているだけでも十名にもなる男の名。それだけではなく、男たちの容姿、職業、年齢に至るまで細かに書かれていた。
「こんな紙、なんの証拠にもなりませんわ! 私がこんな男たちと関係ないと言えば、それでおしまいです」
「そうでしょうか? その割りに顔色が優れないようですが?」
ジゼルは解っているはずだ。名が割れたということは、証言も取れ、証明する手段をレオが持っているということを。
「あなたは私が証拠を突き止めない自信があったようですが、これしきのこと調べられないようでは一国を背負ってはいけませんからね。彼らへの口止めとて、より権力を持つ者の前では無意味なんですよ」
蒼白な顔で焦点の定まらないジゼルは、なにかを言いかけては飲み込む。
「しかしまぁ、よくもこれだけの男と関係を持てましたね。使用人に街の男、男娼にまで。ああ……注目すべきは人数ではなく髪の色、でしょうか」
容姿の欄。共通するのはレオと同じ月色の髪、という点だった。
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