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隠匿シリーズ☆番外編
第5章 騒動の行方

「サイラスが私と同じ色の髪を持って生まれることは賭けだったでしょう。ですがあなたはその賭けに勝った。サイラスに王位継承権を持たせ、あなたが王の母になるためですか? それとも当時あなたの誘惑に決して乗らなかった私への仕返しですか」
アリエッタが王都国立学校に入学する前、レオは少なくない女性と関係があった。だが相手にも割り切った関係だと納得した上での行為だ。
恋人やそれ以上を望む者、権力を欲する者の誘いには応じなかった。そう、ジゼルのような女の誘いには。
レオの問いにジゼルは瞳の奥に冷たい色を携える。
「どちらも、ですわ」
もう取り繕う気もないのか、憎しみさえ籠めてレオを鋭く見据える。
「私より劣る女を相手にはなさるのに、なぜ私はだめなんですの? アリエッタ様だってそうですわ。あんな世間知らずで人がいいだけの女より、私のほうが王妃に相応しいわ」
「アリエッタよりあなたが? 笑わせないでください」
レオは言葉に反し、一切の笑みを消す。
アリエッタへの侮辱とも取れる発言は、レオにとって赦し難いものだった。
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